ある日の練習時に、大学生になったOGが進路の報告に来てくれました。難関大学に入学したその子は、がんばって練習している現メンバーの姿に目を細めながら、私と思い出話に花を咲かせていました。小学生時代、ものすごいがんばり屋さんだった彼女ですが、中学校時代は恵まれない環境下でバスケを続けていました。それゆえ、高校ではバスケを続けなかった彼女ですが、がんばっている可愛い後輩たちに触発され、バスケではないのですが大学でまたスポーツを始めるという報告を後日してくれました。きっと、彼女の中に眠っていた何かに対して、頑張っている後輩が大きなエネルギーを注いだのではないかと私は思います。
彼女との話の中で、「小学生時代にバスケを通して様々な経験をしたことが、その後の人生で自分の前に立ちはだかる様々な課題や問題を解決することに本当に役に立ちました」と何回も出てきました。この時代に、大変な事や苦しい事に対して真剣に向き合った経験は、今実感出来ないかもしれないのですが、子どもたちがこれからの人生を生きていくうえで大きなエネルギーの土台を築くと私は考えています。その為には、まず自分のことは自分でしてみようから始め、成功と失敗を繰り返す経験が必要だと思います。
スポーツは、余暇を使うための遊びが原点です。バスケットボールというスポーツは、冬に大きなエネルギーを使うために考案されたスポーツです。ここに、勝ち負けの原理が持ち込まれる競技スポーツの側面が持ち込まれ、狭いスペースでフェアに戦うために様々なルールが整備されていきました。時代に合わせ、現在もルールに関して言えば様々な試行錯誤が行われています。今年度から、罰則を伴ったゾーンディフェンス禁止のルールが施行されます。しかし、現状は、JBAの川渕会長がj厳しいニュアンスの声明文を出したように、いまだ勝利至上主義の指導者がグレーゾーンの戦術を模索しています。私は、まず子どもたちに1ON1 で勝つ楽しさを伝えるための練習プログラムを再構築して、子どもたちの成長を今まで以上にしたいと考えています。その為の、努力精進を私自身も楽しみながらやっていこうと思っています。