今、ミニバスケットボールと呼ばれていたU-12の世代には、様々な変革の波が押し寄せています。まず、FIBA(国際バスケットボール連盟)のルールに則ったゾーンディフェンスの禁止、そしてそれに伴うルールや組織の再編等で子供たちも指導者も新たな認識の下でバスケットボールに取り組むようになっています。
JBA(日本バスケットボール協会)の方針に従い、昨年度からマンツーマンディフェンスの推進を進めてきたミニバスケットボールの世界ですが、現実は指導できる体制が整っていない事もありしっかり浸透しているとは言い難い状況です。指導者の勉強不足、また指導者の現状への認識不足の下で行われているゲームでは、罰則規定が履行される状況でない事もあり、勝つために目の前の指導すべき状況に目をつぶっているケースを私はたくさん目にしてきました。FIBAが、なぜU-15以下のプレイヤーに1ON1を中心にバスケットボールの土台作りをすべきという方針を出したか、私なりに勉強した結果を一所懸命に子供たちに伝える努力をしています。さらに、1ON1のオフェンスの楽しさを身につけさせ、1ON1のディフェンスの醍醐味を子供たちに感じてもらえるような指導方法を今新たに勉強中です。
しかし、前述のように認識不足の指導者のチームとゲームをすると、すれ違う思いの部分で釈然としない結果を受け入れざるを得ない事が多々あります。この原因は、リクレーショナルスポーツからエディショナルスポーツ、そしてこれらを踏まえた上でチャンピョンシップスポーツという段階に到達しなければいけないスポーツ観がどこかで欠如してしまうからではないかと私は考えます。勝ち負けがある場なので、ゲームにおいては勝つために一生懸命にその目標に向かって努力することは子供たちに様々なスキルと心に残る財産を与えると思います。しかし、勝つことが目的になると様々なことが歪み、勘違いした感性しか身につかなくなってしまうように思います。さらに、ゲームは、相手がいて成立するものです。その相手を敵味方という観点でとらえてしまうことが危険なスポーツ観を育ててしまうと私たち指導者は認識しなければいけないと思います。日本の武道においても、自分に鍛錬の場を与えてくれる相手に対して、礼に始まり礼に終わるという指導を徹底しています。バスケットボールのゲームにおいても、相手チームや相手プレイヤーは同じバスケットボールに携わる仲間だという意識を持つことが、今強く求められていると私は考えます。(^-^)