湿度の高い季節になり、室内競技のバスケットボールとってつらい季節になってきました。しかし毎年、この大変な時期にこそ個人として、さらにチームとしての成長が見込まれます。それは、学校が夏休みに入る事にも関係しています。普段学校があるときよりも、個人の時間の使い方が自由になるこの時期は、どのようにその時間を有意義に使うか大いに学べるからです。
 人は、面白く楽しい時間を過ごしたいと願い、そのような時間の中にいる時には大変な事や難しい事に目を向けるのを嫌がったり怠ったりしがちです。しかし、新チームのスタート時から築いてきた土台作りで重視してきたのは、プレイヤーとしてよりも人としての土台作りでした。それゆえ、早い時期に個人としてチームとして強い刺激をかけたこともありました。例えば、ゲームで重要な役目を担うプレイヤーが人として良い行いをしていないで、個人としてチームとして目標に向かって正しい事が積み上げられていくでしょうか。また、正しい積み重ねをしないで得た結果は、砂上の楼閣のたとえ通り、もろく崩れていくものしか身についていかないと私は思います。
 UCLAのレジェンドコーチであるジョン・ウドゥンの表した”WOODEN ON LEADERSHIP(成功のピラミッド)”の第一段階には、勤勉さ・友情・忠実・協力・熱意が求められています。この内の一つでも欠けていたら成功への階段を上がる権利は得られません。当然、チームのあらゆる意味でのコンディションを整え、目標に到達できるだけのスキルを身につけさせる努力を私は継続していかなければいけないと思っています。
 しかし、私には子どもたちがスポーツに携わった事が有意義になるように、無意味な結果に導かれる事のないようにする責任があると思います。それゆえ、私は戦績で評価されず、人としての成長を促せる事の出来る指導者を目指したいと強く思っています。