最上級生は、自分たちの歩むべき道をしっかりと意識しているがゆえに、プレー面はもちろんですが、メンタル面での成長を様々な場面で見せてくれていて本当に頼もしい限りです。マジックでは、夏休みを過ぎるとチームの仕事の大部分を上級生から下級生に引き継ぐ準備を始めます。この時に、下級生にチームの仕事を正確に伝えられない上級生は改めて自分のレベルを知る事になり、まだまだの部分を改めて補う努力を始めます。  マジックでは、バスケットボールという競技を通じて、人としての成長が促されることを目的とし指導しています。その為に、バスケットボールは楽しいという段階を経て、もっと上手になりたい、ゲームでもっと良いプレーをしてみたいというプレー面での目標を達成できるようにバックアップしていきます。そして、プレー面での成長は、人としての成長が促されていかないと、突き付けられる様々なテーマをクリアしていけないことを指導の根幹においています。具体例を挙げると、チーム活動に関する連絡を可能な限り自分でする、バスケットボールに関する準備と片づけを必ず自分で始めるなどです。普段の生活で、当たり前に見たり聞いたりしていることが、自分でそのことに取り組んだ時に、どれほどの手間と時間がかかるか体験していく事は、必ずバスケットボールというスポーツにも反映していくと私は考えています。それは、自分に時間と手間をかけている環境に感謝する気持ちが生まれるからです。この感謝の気持ちが生まれるという事は、チームの中の自分を意識することにつながり、一人の力では補いきれない部分を補うチームプレーの土台が出来ると思うからです。  11月の遠征で、バスケットボールの指導者として大変うれしいことがありました。私の手がけた子が遠征先で家庭を築き、時間を割いてあいさつに来てくれて、チームの懇親会にも夫婦で出席してくれました。この時のスピーチを聞いて、彼の人としての成長を感じ、私が指導者として目指すべき道を彼から教えてもらうことになりました。子どもたちが目指す目標に対して最大限の努力をすることはもちろんですが、私自身が、手がけた子供たちにとって誇れるような人になりたいと強く思いました。<(_ _)>